「どこのお寺がおすすめですか?」と訊かれたときの準備

この記事は、まれに質問される「どこのお寺がおすすめですか?」という質問に対する、わたしなりの回答です。

この質問は、法隆寺とか東大寺とか、歴史の教科書にも出てくるような場所を教えて欲しいからではない。意外に知られていないが、実は...というのを期待しているんではなかろうか?


事前にWebやガイドブックで調べてから行く旅は、その場所の名物を見逃さずに済むという点で効率的です。
しかしそれとは相反的に、情報をあまり入れずにゆくのも、知らなかったからこその驚きや発見がより強く印象になる点で、またひとつの旅の楽しみ方といえると思います。交通機関を乗り間違えたり、あのとき見とけばよかったと後悔したりといった失敗も付き物ですが、失敗が他人に迷惑をかけることのない週末の一人旅には向いているスタイルかもしれません。
ということで、なぜそこをおすすめするのかの根拠は一切挙げずに、単におすすめできる寺の名前をミシュランのガイドブック形式で紹介します(ランキング形式では順位付けが難しいので)。合わせてその交通手段も併記しておきます。

調べ物せずにそこへ訪れるべし。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gifhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gifhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 小田原山 浄瑠璃寺 (京都府相楽郡加茂町

いついってもいいが、あたたかい5月の大型連休明けぐらいが特にいいとおもう。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gifhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 黄檗萬福寺 (京都府宇治市五ヶ庄三番割)

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gifhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gifhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 宀一山 室生寺 (奈良県宇陀市室生)

おすすめ度やポテンシャルとしてはたいへんに高い。地理的にも市街地から遠くレア感がある。観光地化されすぎていないのもよい。ただし知名度があまりに高すぎるため、驚き度は低い。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gifhttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 極楽山 浄土寺 (兵庫県小野市浄谷町)

バスはあるものの、本数が少なく残念ながら交通の便は悪い。できれば晴れた日の夏の午後にいってほしい。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 泉涌寺塔頭 戒光寺 (京都府東山区泉涌寺山内町

入山料はおこころづけのみ。泉涌寺東福寺のついでに行けばよい。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 天開山 大谷寺 (栃木県宇都宮市

近くの大谷石資料館もおすすめ。帰りは宇都宮の駅のまわりで餃子を食べる。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 九品山唯在念仏院 浄眞寺 (東京都世田谷区)

ひまな土日に都内でちょっとした散歩をするのにおすすめ、自由が丘駅からでも歩いていける距離。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 北向観音 (長野県上田市別所温泉

お寺単体も、百観音霊場のお礼参り先としてたいへんに知られているが、魅力的なスポットとまではいえない。ところが温泉街のど真ん中にあり、参道すぐ脇の外湯が200円で入れるのが最高。源泉かけ流しの浴槽に浸かれば、長時間の旅路の疲れは即刻吹っ飛ぶ。タオルとせっけんを持参すると良い。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5e/Michelin_star.gif 盛安寺 (滋賀県大津市穴太)

お寺としてはさほど大きくなく、見どころも多くはないのだが、井上靖の『星と祭』にも登場する重文の十一面観音像が、5, 6, 10月の毎土曜日、GW、正月3ヶ日に拝観できる。しかも無料である。本来はヒントを与えたくないのだが、該当日は特段の案内なく観音堂が開いているので見逃してほしくない。