花合わせのルール（三河湾漁師バージョン）

映画「サマーウォーズ」を見ました。夏希先輩がとても素敵でした。この映画では花札が大切な役割を占めています。映画を見て花札をやりたい！と思ったひともいるはずです。

愛知県ではいまも花札が盛んに遊ばれています。「花合わせ」という遊び方が最もポピュラーですが、一般的によく知られている花合わせとはかなりルールが違うようです。残念ながらWEBではこのルールは紹介されていませんので、稚拙な文章ながら紹介してみたいと思います。

花合わせのルール　（三河湾漁師バージョン）

準備：
花札から桐のカス3枚を抜いて45枚であそぶ。

人数：
プレイヤーは原則として3人。出降りを採用する場合は6人まで。

配り方：
親が札を配る。手札はプレイヤーにそれぞれ6枚ずつ。場札が9枚になるように。
最初に場に3枚を表向きに撒く→プレイヤーへ反時計回りに3枚ずつ配る→また場に3枚撒く→3枚ずつ配る→また場に3枚撒く。
残った分は山札になる。配る前に他のプレイヤーに札の束を切ってもらっても良い。
（出降りを採用する場合は、手札と場札をみて不利と感じたプレイヤーは、そのあとの勝負に参加できない。出降りしたプレイヤーの手札は山札になる。）

遊び方：
親から順番に札を合わせていく。通常の花合わせとほぼ同じなのでこの辺は割愛。

なお桐札はカス札3枚をあらかじめゲームから取り除いており、桐に鳳凰の1枚しか使用しないので合わせられない。手札、山札の場合は1枚だけで自分のものになる。場に札を配った最初から桐が表になっていた場合は、親が自分の順番のときに手札を1枚手札を出す代わりに場の桐札をおろし、その後いつもどおりに山札をめくる。これは最初に限らず、親の番のときなら好きな時に行える。またこの場合は最後に親の順が1回分増えるため、親がとても有利にできている。

全員の手札が無くなった時点で終了。

点数：
得点の計算方法が他のルールとずいぶん異なる。

まずは札自体に得点が指定されている。最も点数が高いのは"坊主に月"で40点。次に30点札が2枚。20点札が4枚。残りの種は10点。一般的によく知られている"こいこい"のルールとは違って、雨に小野道風は10点であることに注意。短冊はすべて5点。カスは0点。すべての札を合計すると300点になる。仮に次に紹介する"役"がいずれかのプレイヤーに成立した場合であっても、合計点が300点になるというのは常に成立する。

40点
30点
20点
10点
5点

役：
役ができた場合は。他の2人のプレイヤーから、その役に決まっている点数分を貰うことができる。もちろん複数の役ができた場合はそれぞれ点数が貰える。ゲーム終了の段階で得点札によって清算するとよい。

赤短（アカタン）　他の2人から50点ずつ貰う
青短（アオタン）　他の2人から50点ずつ貰う
赤豆（アカマメ）　他の2人から20点ずつ貰う
白豆（シロマメ）　他の2人から20点ずつ貰う
桐雁菖蒲（キリカリアヤメ）　他の2人から30点ずつ貰う
雨桐（アマギリ）　他の2人から30点ずつ貰う

ゲーム終了時に得点計算をするときは、自分の得点から基準点の100点を差し引いて結果表に記録する。例えば、自分が120点を獲得した場合は、基準点の100点を引いて"20点"が自分の得点として記録される。もし70点しか獲得できなかった場合は、−30点と記録される。

特殊ルール：
手役（テヤク）：最初に配られた手札がすべてカスだった場合。ゲーム終了時に他の2人から50点ずつ貰える。ただし、ゲーム開始前にすべての手札をオープンして、その状態のままプレーをしなければいけない。