”土偶”の魅力を(仏像ファンを公言するわたしが)まとめる。

仏像を見るのが好きだと公言していたのですが、実は自分仏像よりも土偶のほうが好きなのを忘れてました。

国宝五土偶

仏像の国宝は100件軽く超えますが、土偶のはたったの5件のみです。仏像は明治初期に廃仏毀釈という憂き目に合ったものの、追って和辻哲郎岡倉天心らにより評価されたため、文化財として評価が確立しています。対して埋蔵文化財は評価がまだまだです。最初の国宝指定は1995年。高々20年しか経っていません。

   

名前 出土 展示
縄文の女神 山形県舟形町
西ノ前遺跡
山形県立博物館
縄文のビーナス 長野県茅野市
米沢棚畑遺跡
長野県茅野市尖石縄文考古館
仮面の女神 長野県茅野市
中ッ原遺跡
長野県茅野市尖石縄文考古館
中空土偶 北海道函館市
著保内野遺跡
函館市縄文文化交流センター
合掌土偶 青森県八戸市
風張1遺跡
八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館

魅力

日本の人型の彫刻/彫塑文化を遡ると、仏像(もしくは神像)→埴輪→土偶となります。

仏像は釈迦牟尼のほか、インド神話やヘレニズム文化の影響を受けているいわば舶来品。日本人は昔っから舶来品が好きです。土偶のような土製品は世界各地で発見されるものの、日本の土偶はJapanese orientedデザインの素晴らしい作品がいくつも発見されています。製作された縄文時代が狩猟採集社会だったということに独自性があるそうです。

もうひとつのポイントはモデルの9割が"女性"であるということ。埴輪も仏像も、多くは男性です。観音菩薩には女性的・中性的な表現がありますが、元は男性という説が有力です。対して土偶は女性。えも言われぬエロスがあります。現在の美少女フィギュアの原型はここにあるといえます。さらには日本のすべての芸術の原型ともいえます。

過去の展示会

大英博物館
The power of dogu:ceramic figures from ancient Japan
2009年9月10日〜11月22日
http://www.britishmuseum.org/whats_on/past_exhibitions/2009/archive_the_power_of_dogu.aspx
東京国立博物館
文化庁海外展 大英博物館帰国記念 「国宝 土偶展」
2009年12月15日〜2010年2月21日
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=650
京都国際マンガミュージアム
フィギュアの系譜―土偶から海洋堂まで
2010年7月10日〜9月26日
http://www.kyotomm.jp/event/spe/figures2010.php
中野市立博物館
企画展 「土偶 ヒトガタの魅力と魔力」
2011年2月5日〜3月21日
http://www.city.nakano.nagano.jp/city/hakubutukan/index/oldtopics/h22/dogu.html
MIHO MUSEUM
秋季特別展 「土偶・コスモス」
2013年9月1日〜12月9日
http://www.miho.or.jp/japanese/collect/archives/2012/au01as.htm
豊田市民芸館
開館30周年記念特別展 縄文の美
2013年12月10日〜2014年3月2日
http://mingeikan.toyota.aichi.jp/kikaku/event/jomon/index.html
東京国立博物館
「日本国宝展」 国宝の土偶5体が会場に勢ぞろい
2014年10月15日〜12月7日(日)
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1648

まずはこれをみてほしい

いつもやっているとは限りませんが、東京国立博物館のミュージアムシアターでは、土偶をテーマにした企画がたびたび開催されます。女性ナレーターが生ナレーションで土偶の魅力を伝えてくれます。

書籍

残念ながら良書は絶版が多いのです。

これから

さてどのようにITと土偶をリンクさせれば良いだろう。