こいこいのルール(三河湾漁師バージョン)

映画芸術 2009年 08月号 [雑誌]
以前紹介した花合わせのルールに続き,こんどはこいこいについてです.

愛知県ではいまも花札が盛んに遊ばれています.花合わせという遊び方が最もポピュラーですが,人数が3人に満たないときは「こいこい」をします.三河湾の地方ルールについて,私が知る限りを紹介をしてみたいと思います.
あんまりこいこいはしたことがないので,間違ってるかもしれません.参考程度でお願いします.

こいこいのルール (三河湾漁師バージョン)

準備:
花札から桐のカス3枚を抜いて45枚であそぶ.
※これが三河湾ルールの定番です.桐が1枚しかないため親が有利に設計されています.さらに後述の雨三光がありなので,8枚ずつの手札を出し終えても両者が得点できないことはマレです.
サマーウォーズ ストラップぬいぐるみ キング・カズマサマーウォーズ ストラップぬいぐるみ 仮ケンジ


人数: 2人.


遊び方:
親が札を配る.手札と場札がそれぞれ8枚になるように.場と自分と相手とに4枚ずつ配り,残った分は山札にする.

親から順番に札を合わせていく.通常のこいこいと同じなのでこの辺は割愛.

どちらかに役ができて勝負をやめるか,ふたり手札が無くなった時点で終了.


地方ルール:

  • 桐は1枚しかないので合わせない.手札,山札の場合は1枚あれば拾える.最初から場札にあった場合は,親の自分の順番のときに手札を1枚手札を出す代わりにおろして,いつもどおりに山札をめくる.これは最初に限らず,好きな時に行える.この場合は最後に親の順が1回増える.
  • 赤短,青短がついた場合,他の短冊は1枚につき1文.
  • 同様に猪鹿蝶がついた場合,他のタネ札は1枚につき1文.
  • 雨三光あり.
  • 月見酒なし.花見酒なし.
  • 2文以上できないと勝負をやめられない.コイもできない.
  • コイ1回につき2文.
  • 10文以上で倍付.
  • 最初から同月の札が場に4枚ある場合も,桐と同じように親が好きな時に手札を出す代わりとしておろせる.


全国ルールと共通のルール:

  • 菊に盃は,タネにもカスにもどちらにもカウントできる.
  • 勝った者が次の勝負でも親を継続する.
  • 最初から同月の札が場に3枚ある場合はイチビキと呼び,1枚の札で3枚の場札を獲得できる.

花札 大統領 (黒)


役:

  • 五光 (10文)
  • 四光 (8文)
  • 雨四光 (7文)
  • 三光 (5文)
  • 雨三光 (4文)
  • 猪鹿蝶 (5文)
  • 赤短 (5文)
  • 青短 (5文)

※赤短・青短と猪野鹿蝶は,短冊かタネが1枚増えるごとに1文がつく.よって序盤にできた場合,コイすることで高得点が狙いやすい.